【Q】アマチュア無線の免許を取ろうと思っていますが、内容が理解できません。 丸暗記はダメだとある方に言われて自信を無くしています。 【A】私は皆さんに、余分な勉強をするより丸暗記を勧めています。 私は、大学の電子工学科を卒業し、現在通信関係の仕事に就いています。 資格は、電話級、電信級、2アマ、1アマを取得しましたが、問題の半分は丸暗 記に近い状態で取得しました。その後、プロの通信士や、最近では工事担任者ア ナログ1種及びデジタル1種の資格を取りましたが、こちらはほとんど丸暗記で 1発合格しました。 勿論、私自身は技術的に優れているとは思いませんが、送信機や受信機、測定器 等の設計製作等はしておりまして、最近の方に比べれば、多少の技術的な自信も あります。 しかし、無線の国家試験の内容は、たとえ技術的に万能であっても必ずしも解け るものではありません。私の知り合いは東京大学の電子工学専攻の3年で法規の み勉強して電話級(現4アマ)を受験し、あっさりと不合格になりました。 ただし、当時は記述式問題でしたが。 例えば、トランジスタの動作などは、ホントに理解するためには、素粒子工学の エネルギーレベルのところまで突き詰めて、理学的な領域にまでつっこまないと 理解できないのです。 偉そうにトランジスタの動作原理を理解していると思っている人でも、せいぜい 電流増幅率で論じるかアドミッタンス等価回路で説明するくらいでしょう。この程度で は、丸暗記とほとんど同じレベルです。つまり、結局は一つ前の段階で丸暗記し ていることに気づいていないのです。 20数年前採点に携わった事があるのですが、無線技術士等の論文の試験では問 題集の模範解答通りに書かないと得点はもらえません。なぜならば、模範解答の キーワードが部分配点となり、その総計がその問題の得点になるからです。いく ら、すばらしく論じても、模範解答と違った言葉や論点で説明してあれば0点な のです。 特に、法規の問題では、条文そのまま書かないと大きく減点されてしまいます。 択一問題でも、例えば認可、免許、許可、承認等同じような意味でも使い分けさ れていますので、暗記以外の何者でもないでしょう。