病の原因 
太田入道殿御返事

御書には、病の原因として6種類あげられている。
天台大師の摩訶止観(まかしかん)の文である。(P1009)


第1は「四大(しだい)順ならざる故に病む」。

四大とは、地水火風のこと。

東洋思想では、人間も大自然も四大で構成されていると教えている。

私たちの身体でいえば、

地大(人体の骨等)・水大(血液等)・火大(熱)・風大(呼吸)の身体的エネルギーのことである。

この四大の調和が気候の不順等で乱れることによって病気になるとされる。

ゆえに、環境に応じた、賢明な生活が大事となる。


第2は「飲食(おんじき)節ならざる故に病む」。

食べ過ぎや飲み過ぎ、あるいは不規則な食事などを指す。


第3は「坐禅(ざぜん)調わざる故に病む」である。

一般的にいえば日常生活の不節制といってよい。

ゆえに、教養ある食生活や、十分な睡眠、適度な運動、リズム正しい生活が大事となってくる。


第4の「鬼(き)便(たよ)りを得る」 

この鬼は、身体の外側から襲いかかる病因をいう。

現代的にいえば、細菌やウイルスなどのほか、外界からのさまざまなストレスも含まれよう。


第5は「魔の所為(しょい)」である。

「魔」とは、精神的・心理的なストレスにより、三毒等の煩悩(ぼんのう)をひきおこし、

生命の内奥(ないおう)まで入って精神作用を破壊したり、心身の正常な営みを混乱させる働きである。


そして、第6は「業の起るが故に病む」である。

これは過去世と現世に刻んだ悪業によって起こるものである。


このように、病気の原因は6種に分けて考えられるが、
実際は、いくつかの原因が重なり合っている場合が多い。


このうち、第5と第6の次元を除いて、
最初の4つは、まさしく智慧を働かせていくことで、予防していけるものである。
聡明(そうめい)に工夫しながら、よく寝て、疲れをためないことである。
健康になるための根本は、大生命力を涌現(ゆげん)させ、
魔に打ち勝ち、宿業(しゅくごう)を転換しゆく、強盛(ごうじょう)なる信心である。

有名な御聖訓に
「南無妙法蓮華経は師子吼(ししく)の如し・いかなる病さは(障)りをなすべきや」]
(御書1124ページ)と仰せである。

信心は生命力を大きくする。
人格を大きくする。
自分自身を大きくする。
偉大な生命力に満ち満ちた学会の組織で、広宣流布のために戦っていくことだ。

戸田先生は絶対の確信を込めて言われた。
「強盛に信心するならば、経文において明らかなごとく、
新しく強き生命力を得て、事業に、健康に、生き生きとした生活が始まってくる」
「それは地から涌出(ゆじゅつ)するところの水のようなものであって、絶ゆることがない」

わが学会の同志は、一人ももれなく、
「健康博士に!」そして
「長寿博士に!」と私は心から祈りたい。

2003.12.13
海外・第2東京代表協議会でのSGI会長のスピーチ

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