師の指導から 【1988-04-29 東京池田記念講堂】
3年前の秋、私は10日間、入院した。はじめてのことである。
しかし客観的には、いつ倒れても決して不思議ではなかった。
入信以来、40年間、また戸田先生の遺志を継いで、30年近く、走りに走ってきたからだ。
“30までしか生きられない”といわれた弱い体で、働きぬいてきた。
走りに走ってきた。常に嵐と戦ってきた――。
入院の件はマスコミ等でも大きく報じられた。
あらぬ憶測や、利害や思惑がらみの姑息な動きも数多くあった。
しかし私は、それらのさざ波を達観していた。
私は、この病は、仏の大慈悲であると深く実感していた。
もう一度、一人立って、真の総仕上げを開始すべき“時”を教えてくださったと確信した。
今こそ、本当のものを語っておこう。
後世のためにも、本格的に、あらゆる角度からの指導を、教え、残しきっておこう。
そして創価学会の真実を、その偉大なる意義と精神を伝えきっておかねばならない――と。
それまで、学会も磐石にしたし、教えるべきことは教えたとも考えていた。
しかし、この病気を契機として、私はこれまでの10倍、20倍の指導を残そう。
10倍、20倍の仕事をしよう、と決意した。
そして、以前以上に、いやまして真剣に走り始めた。これからも走っていく。
ともあれ、これから諸君の人生にあっても、大なり小なり、苦労と苦難は避けられない。
しかし、すべては諸君を大樹へと育てゆく仏の慈悲と確信してもらいたい。
そのことを確信し、堂々と一切を乗り越え、難あるごとに、いよいよ強く、いよいよたくましく、
いよいよ朗らかに人生と広布を開いていく、「信仰王者」として生き抜いてもらいたい。
【第3回全国青年部幹部会】
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