2004年12月 
携帯電話の電磁波の危険性、解明へ向けた調査が本格化
携帯電話やアンテナ塔が出す電磁波の影響を調べている研究者たちは、主に携帯電話の使用と脳腫瘍との関係、
携帯電話の電磁波が血圧に及ぼす影響、幼児期のガンと基地局との距離の関係などを取り上げてきた。
一方、最近の研究では、いわゆる「電磁波過敏症」の科学的根拠などを検証する傾向が見られる。
これは、頭痛や倦怠感など複数の症状を引き起こすとされ、携帯電話やアンテナ塔に接近することで発症すると
一部で考えられている。
世界保健機関(WHO)は現在、「国際電磁界プロジェクト」を進めており、
2007年には電磁波の健康へのリスク評価を完了する予定だ。
同プロジェクトでは、携帯電話が発する電磁波を含む周波数300GHzまでの電磁界が人体に及ぼす影響を調べている。また、電磁波の規制強化を訴える活動団体「ワイヤレス技術の影響に関する審議会」のリビー・ケリー会長は、
医療当局は携帯電話やアンテナ塔の危険性を過小評価しているとの見解を示した。


「携帯の電磁波がDNAにダメージ」と欧州の研究者
欧州連合(EU)から出資を受けて実施された新たな研究で、携帯電話が発する電磁波は実験室環境において、
体細胞に悪影響を及ぼし、DNAを傷つけることが示された。研究者らが12月20日に発表した。
この研究プロジェクトはドイツの研究グループVerumの調整の下、4年がかりで実施されたもの。
実験室内で電磁波が体細胞と動物細胞に与える影響が研究された。
実験では、典型的な携帯電話の電磁場にさらされた細胞で、1本鎖DNAと2本鎖DNAの破損が大幅に増えた。
「その後の世代の細胞にも損傷が残った」とプロジェクトリーダーのフランツ・アドルコファー氏は語っている。
つまり、変異が再現されるということで、変異細胞はガンの要因になり得ると見られている


2004年11月
携帯電話の鉄塔付近ではがんの危険性が3倍に
ドイツの研究機関により、携帯電話の鉄塔付近で暮らしている人々は、
鉄塔から離れた場所で暮らす人々よりも、がんの危険性が高まるかどうかの調査が行われた。
期間は1994年から2004年までの10年間で、1000人が対象。
結果、鉄塔付近400メートルで暮らす人は、離れた場所で暮らす人よりも、
がんの危険性が3倍に高まることが明らかになった。
この調査は引き続き居住者の協力を得て続けられるという。


WHOが電磁波防護基準値の明確化を放棄
WHOの電磁界プロジェクトは、小児を白血病から守るために、
電磁波被曝の防護基準自体を再検討するよう各国政府へ勧告した。
この勧告は、不確定な健康および環境上のリスクに対して「予防原則」適用の手続きを記載した報告書に含まれる。

この報告書は、2年間の検討期間の結果であり、「予防原則」を促すための十分な指針となっている。
WHOは、電磁波被曝の防護基準に関して
「低周波(50/60Hz)電磁波防護値を厳密にすることは今後の決定事項ではない」と強調。
電磁界プロジェクトは「WHOとしては、防護基準は何らかの確定された指標に基づくべきであるが、
現在のところ防護基準値の決定は科学的ではなく、予防原則を組み込むための適切な指標として機能していない。
したがってWHOは、小児白血病のデータに基づく防護基準値を今後の選択肢として推奨しない」と述べている。
この報告書は11月2日に公式発表された

電磁波、携帯電話等関連 最新情報(新聞記事等より抜粋) その1

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