真空管のラジオ


@ 短波帯の受信機

数年前の無線雑誌(CQハムラジオ 2004年8月号)で「普通の真空管がプレート電圧12Vで動作する」という記事を読みました   
12Vなら感電の心配もなく安心して作業ができます 早速 ジャンク箱から 「6BA6」を引っ張り出して 短波の受信機を作って見ました
 
低周波電力増幅回路をプレート電圧12Vで働かせるのは かなり難しいのですが 幸い最近は12Vで働くオーデオ用ICが安価に購入
できます  そこで 低周波増幅はICにまかせた ハイブリット形としました (回路図はこちら

真空管を1本だけ使用した再生受信機(オートダイン)で 太平洋戦争後まで 一般家庭でよく使われていた「並4」「並3」に相当します 
(高周波増幅なしー再生検波ー低周波増幅 で 0−V−1と呼ぶ場合もあります)
 

 

スケルトンタイプの短波(7MHZ帯)を受信する受信機です 真空管の取り付け板はジャノメ基板を使いました 
材料が紙フェノールですから 大きな取り付け穴も簡単に開けられて便利です(シールド効果は期待できない)
アンテナコイルは 「FCZ−7」を使っています 
(アンテナコイルは「トロイダルコア」を使った場合が再生の掛かりが一番スムーズでした)  

写真では見難いですが 基板上には真空管のヒーター用の6Vを(真空管のヒーター電圧は6.3V)作る3端子レギュレーター
が取り付けてあります(12Vを半分の6Vに落とすのでかなり発熱します)真空管のヒーターが12Vのも(12BA6)を使えばこの回路は
不要です

真空管に流れる プレート電流は12V 500μA 、 ヒーター電流は6V 0.3Aです   
ACアダプター(スイッチングレギュレータ)を使用するとノイズを拾ってうまく聞こえませんでした 別にフイルターを作るか 
トランスを使った電源 またはバッテリーを使う必要があります

再生式の受信機は発振瞬前になるようにスクリーングリット電圧を調整します  短波用のアンテナを接続して聞いてみると 
選択度はあまり よくないですが感度は十分です  AMはもちろん再生を調整することでSSBも聞くことが出来ます

写真左 真中の基板の左側に真空管、右側の大きなつまみがバリコン 小さいつまみは再生用ボリュムで 7MHZ〜8MHZの1MHZが
聞こえます

類似の真空管(6BD6、6AK5、6BZ6など)を差し替えて聞いてみたのですが これらの球では再生がうまく掛かりませんでした  
多分カットオフ点の違いだと思いますが 球が劣化しているのかも知れません         6AU6は6BA6と同様に使えました



A 中波ラジオ

回路は同じで 中波のラジオを作りました  コリンズ顔のパネルにしました  つまみが沢山あるのでVHF(2m)のFM受信基板
もいっしょに載せました (パネルデザイン優先・・・)

 

真中のアルミボックス内に 中波の 0−V−1     ジャノメ基板部はFM受信機
中波のラジオとしては満足いく性能です  60年前はこんな感じに聞こえた? と 一人で納得しています



B 1−V−1
    

12Vのプレート電圧受信機は さて置き 200V以上の電圧を使う 普通の 1−V−1 を製作しました
真空管は手持ちの都合で 低周波増幅を6AW8にしました

高周波増幅 6AK5、検波 6U8、 低周波増幅 6AW8  再生式受信機の命といわれる検波管のプレート負荷は100Hの
低周波チョークを使用、電源トランスからの漏洩磁束によるハムを避けるため電源はセパレートとしました  

オートダインは調整が大切 と言われています が アンテナをつないで聞いてみると 結構よく聞こえます 選択度は
今の受信機とは比較するのが間違いですが 再生を調整すればSSBも復調できます 
コンバータをつけて50MHZか144MHZで実際のQSOに使ってみようか と考えています

 

2連バリコンは30年ほど前に使っていた受信機から取り外したもの (この取り付け方だと時計方向回しで周波数が下がる)写真のバリコンの右は古い水晶発
振子FT−243 を使ったマーカー       シャシからお尻の出ているのは100Hの低周波チョーク  パネル、シャーシはアルミ板を切り出して自作 
左右のハンドルも4mmφのアルミ棒を加工して自作です

現代の受信機は すべて「スーパーヘテロダイン」ですが 昔の「オートダイン」も捨てたものでは ありません


C
 1チップICラジオ

このあたりで 「鉱石ラジオ」 と言いたいところですが LMF501Tを使った中波用のICラジオです  

 

コイルは水道用塩ビパイプに巻き バリコンはポリバリコンです 電源には単5を2本使いました
アンテナをつければ 聞こえるのですが 分離が悪く混信が激しいです 



D 6球(マジックアイつき)スーパー  

 

松下電器の EA370 です  安さん  からいただきました      お父さんが使っていたそうです

アンテナコイルが断線していたので手直ししました    整流管 19A3 のヒーターが 半分断線しています


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