うつわの話

急須(きゅうす)・または「きびしょ」
<中国語の「急焼」からの転訛>

急須は、酒を温める器のことも指していましたが、現在は、煎茶器のことをさしています。
壷形の胴に、注ぎ口と把手を備え、蓋がある器です。
焼き物のなかで、急須とお茶碗のバランスの取り具合が、いちばん難しいかもしれません。
赤絵の急須と赤絵のうつわでは、何だか安っぽい感じがします。
万古焼とか常滑の急須がよいように思います。

           ※「うつわは器量よし」立花玲子著より
新しく急須をお買いになった時に、ひとつだけこうすればよい焼き物の匂いを消す方法です。
それは、新しく求めた急須に、お茶がらを入れておくのです。二、三日入れておくとよいでしょう。
そうすると、お茶の香ばしい香りも残って、さも新しい急須でお茶を入れたということがなくなり、
よい感じになります。 

急須を求めると、その注ぎ口に、ビニール状の輪がついています。
これをそのままにして使っている人がかなりいますが、これは間違いです。
これは、店から発送するときに、注ぎ口が割れないようにするためのひとつの知恵なのです。
あくまで、お店のために付いているにすぎません。
そのままお使いになっては、塩化ビニールを少量ずつでも飲んでいることになってしまいます。