1/200  重巡洋艦  高雄  (たかを)      製作開始  2011−5−5        完成  2012-1-11

約30年前に製作した 「鳥海」は 今からみると あちこちに間違いがあります  修整工事をしようか とも思いましたが作業が大掛かりになりすぎるので 「鳥海」はそのままとして 姉妹艦の「高雄」を製作することにしました  資料は 日本造船学会 (原書房) の公式図を例によって パソコンで1/200 に縮尺を直し 原図面を作りました

船体は「最上」と同じように「貼り付け」方式で作りました(正確な正面線図があった) 削り屑がほとんど出ず 作業性は良好でした 今回はできるだけ手を抜かず図面に忠実に製作してみようと思います 

船体の正面線図は「軍艦メカニズム図鑑 日本の巡洋艦」 から 「愛宕」の図面を 1/200縮尺に直して 何枚かコピーし 3mm厚のベニヤ板に貼り付けました  

電動糸鋸で切り離す  (外板に2mmの板を貼り付けるので 2mmマイナスで切りだす) 
この精度が船体の形状を決めるので 細心の注意をして作業する 

切り出した「肋骨」を竜骨(20mm角材)にのせたところ

図面にあわせて 肋骨を接着  「愛宕型」の船形が現れる 

船尾のブロック
普通はもっと大きな木材のブロックを使うのだが 肋骨の切り出し精度に注意したお陰で 極小(削り屑も少なくてすむ) 

船首のブロック
船尾と同じ理由で非常に小さい (船体の軽量化にもなる)

2011-5-10
2mmの桧角材を接着していく 要所を虫ピンで固定する

両舷から同じ面積で張っていく (ねじれを心配した)図面上に置いて間違いがないか確かめる

2mmの角材を張り終わったところ  (右舷バルジ部分)      接着剤は木工用ボンド速乾

船体の完成

接着剤が乾燥したあと 荒削りをして形を整える

船首部分  荒削り後の状態    甲板は2mm厚10mm巾の 桧板を張った

バルジ部分       肋骨を正確に切り出すと 削り屑を出さずに製作できる

甲板上に 主砲と煙突を載せてみた 図面のコピーを貼り付け位置を決める

2011-5-15
艦橋を仮に作る    高雄の艦橋は複雑な形状で 図面だけでは判らない部分がある

バラックの艦橋        煙突は10mm厚の朴材を積層してブロックにした

高角砲台座 などを 並べて見る

エディプレートの位置 と シャフトブラケットの位置決め

カタパルト 内火艇 12m内火ランチを製作 カタパルトは0.3mm厚のプラバン 変形しないように見えないところに真鍮線で補強を入れた

煙突内部の整流板を加工して黒塗装をする    上部構造物を乗せた

艦橋をプラバン1.2mmで製作 接着はラッカーシンナー     左下はボール紙で作った仮の艦橋

ビルジキルーを取り付けた   「高雄」型 実艦では 巾1m40cm 厚み50cmの 三角断面 長さは約60m 
ビルジキルーは横揺れを減少させる目的で設置される

12m内火ランチを作る 木型を作り量産する(2隻)

船体の隙間は まず木工パテで埋め プラサフを吹く
その後の修整は プラモ用のパテを使う  

2011-5-30        ここまでは かなり早いペースで進んでいます

外舷電路の「留金具」   0.1mm厚 燐青銅板を細く切って帯状を表現しました  (これまでは 0.3mmφの銅線を使っていたので 断面が○だった)

「スリップ止め」の製作     「不二美術模型出版部 艦船模型の製作と研究 長門・陸奥」から コピーし 約1mm巾の精密ドライバーを使って ひとつずつ押し出す   1枚作るのに2時間ほど掛かった   

出来上がった「スリップ止め」を飛行甲板に張る        「へこみ」がつぶれないように クリアーを吹いて固めてから貼り付ける

羅針盤艦橋を作ります  形状が複雑で修整、手直しを覚悟の上

後部煙突に間違い発見  ここまで作ったが根元から切断!(曲がる方向が反対)

内火艇を製作    透明のアクリル板で窓ガラスを作る       カタパルトは まだ未塗装

艦橋はまだこれから  塗装の都合で煙突は ほぼ完了

2011−6−12 

主砲

艦橋の整流板

2011−6−15

船首のアンカーチェーン

下塗りを終わった艦橋 

艦橋 右舷

リノリュウム押さえの製作  「マイラップ」を0.5mmほどに切り  甲板に貼り付ける 少々派手ですが あとでつや消しクリアーを吹きます

リノリュウム押さえの加工終了  艦底色の塗装も完了     2011-07-03 撮影

撮影2011-8-6
まだ 空中線張り が残っています

連装機銃は塗装前  1.2mmのプラ板で工作しました

飛行甲板 後部マスト と4,5番砲塔 

後部甲板 船尾に発煙缶  空中線整合器も工作しました
撮影2011−8−6

船体の塗色(軍艦色)と艦底色の境界線を「塗別線」と呼び 満載吃水線の中央を0とし 艦首部を垂線間長の1/300  艦尾部を1/600の高さにとり その3点を円弧で結んだもの (直線ではない)

実艦の写真と同じようなアングルで撮影しました

95水偵と後部機銃座を作り 舷窓を塞ぎました 

三座水偵を製作    撮影2011−12−8

25mm連装機銃と単装機銃を製作

撮影 2012−1−11    「高雄」 完成

三座水偵は未完成です

21号、22号、13号 電波探知機
21号電探の反射網の升目寸法は 隼鷹や武蔵 の実写真から推定すると約7cm(連合艦隊誌 59号23p)

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13号電探の「中心支柱アングルは木製であった」という リサーチが 連合艦隊誌59号24pにある

空母「隼鷹」の13号電探の実写真を見ると 中心支柱は太くみえる  

陸軍で使用した13号電探の中心支柱のアングルは「木製」であった という記録がある

双眼望遠鏡 横の白い棒状の物は 伝声管  (取りつけ状態は推定)

13号電探 150MC 10kw の電力を供給する給電線がケーブルだったか梯子フィーダーだったのかは不明だが 当時 「OYコード」という同軸ケーブルが存在したという (陸軍の13号電探は梯子フィーダーであったという記録がある)

空中線の絶縁には 「卵碍子」(玉碍子)、「波型碍子」、「長幹碍子」などが使い分けられていた (海水からの塩害による 絶縁に苦労したと思われる)

艦尾の軍艦旗は午前8時に掲揚し日没と同時に降下する 航海中は常時掲揚する       艦首旗(日の丸)は停泊中のみ掲揚する

舷門は両舷に2箇所 左舷舷門は一般用 右舷舷門は士官用(大尉以上)

係船桁は停泊中の艦艇が両舷に突き出す「竿」でこれに索梯子、索条を吊るして短艇を係留する  作業を終えた短艇員は索梯子を使って係留桁に上がり これを渡って艦に戻る

舷外電路は磁気機雷を避けるため 船体による「磁気ひずみ」を打ち消す作用をさせる   水平線輪(コイル)のみ設置された

初期の舷外電路は多芯編組線を使用し木製のカバーを被せたが波浪による破損が激しいため 後にキャブタイヤケーブルに鋼板のカバーをかけた物に改め さらに後期にはキャブタイヤ線をむき出しで船体に取り付けた     留め金間隔はカバーつきで1.2m〜1.5m カバーなしは60cm

船体の塗色は各 海軍工廠により色調が違い 舞鶴 呉 横須賀 佐世保 の順で黒っぽくなっていた  (「軍艦の模型」 の表紙カバーが色調見本になっている)

舷外電路のカバーなしの 作例は「山城」