音響機構遍
蓄音機は、レコードの溝に刻まれた音を針で受け、振動板を使って音波に変換、その音をホーンで大きくして拡声するよになっている。
サウンドボックス


サウンドボックスは重い
サウンドボックスは、レコードプレーヤのカートリッジに相当する部分で、機械的な振動を音波に変換する部分である。SPレコードの溝は、音の振動をそのままギザギザの形として刻んであるため、その振動を針でとらえて振動板に伝えることによって音波を発生させる事が出来る。丁度、録音するときの逆を行うことになる。
構造は、いたって単純である。針から伸びた軸は途中に支点があり、更にその先は振動板の中心に接続されている。原理はスピーカと同じだ。ボイスコイルの代わりに、針が接続されていると考えればよい。


アルミ製の振動板
レコード針


コンパスの針にそっくり

SPレコードに使用する針は鉄製のコンパスの針のような形をしている。中には、竹針やサボテンの針等を使った物もあるらしい。
鉄針を使用しても、レコードを3枚もかけると針先が摩耗してしまうので、頻繁に交換しなければならない。

鉄針は現在では入手が困難であると思いましたが、なんと今でも生産されていることが分かった。メーカは、コンパスの針を作っているところだそうだ。見た目は、コンパスの針とかわりない。

音響ホーン


トーンアームも音響ホーンの一部


音響ダクトで音を中央へ


2回の反射でホーン長をのばす

サウンドボックスで発生させた音は、レコードプレーヤのトーンアームに相当するパイプを伝わってホーンで拡散します。ホーンは、朝顔のラッパのような形をしたものを思い浮かべる方が多いと思いますが、様々な形のものがある。
私が今回入手した物は、筐体の内部を巧みに加工してホーンを形成しているものであった。晩年の卓上型の蓄音機はこのような形の物が主流のようだ。

音は、トーンアームの付け根の部分から真ん中の写真のようなダクトに入り、ケースの中央下部(右の写真中央)に送られる。
右の写真はサランネットを外した、ホーン部分の写真である。中央部に送られた音は、半円形の反射板でいったん後ろに反射させ、更に両サイド奥から放射状に前方開口部に向けて拡散されるように設計されている。
びっくりするような、複雑な構造となっている。

信じられないと思いますが、ここから出る音はステレオのボリュームをかなり上げた状態の音に匹敵する音圧になるため、夜間などは周囲の迷惑にならないような環境でないとレコード鑑賞も出来ない。
当然ながら、ボリュームを絞ったりヘッドホンを使用することもできない。

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